美しい蛙

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もう何処にもいない人

私の父は 随分と前に死んだ
癌だった

私の父は有名美大卒で
超有名老舗百貨店に勤めるサラリーマンで
いつも夜遅くに帰ってあまり家にいなかった

でも休暇にはキャンプやスキーに連れて行ってくれた


父は 頑固で厳しかった
父は 酒と煙草を嗜んだ

父は 突然倒れた
死ぬ前はほとんど口が利けなかった

死に際を覚えている
明け方の五時四十五分だった
「では、死亡ということで」
医者が確かにそう言った

幼かった私はただ悲しいことなのだ と泣いた

それから私は いなくなった父を恨んだ
生活が苦しくなったわけではない
私達家族は田舎の土地に家を建てた

それから私は 父を思った
死ぬ前なにを思っていたか
 もっと生きたかった?
 何をしたかった?
 人生に不満はなかった?
父の考えていたことを考えるようになった

真面目で 家族を大切にし
自然を愛した
休日には抹茶を点てた


もっと見て欲しかった
苦しんで泣いていた私を
私の描いた絵を
大人になっていく私を
言ってやりたい文句もある

でも 父は私がまだ子供の頃死んだ
もう随分と前に

いなくなった彼に
言うことなど何も無い

今の私なら父の為に
出来る事が色々あるのに
出来ないのが残念

考えても仕方のないこと

私の左利きは父の遺伝
だから この手は彼を偲ぶ
夢に出てくれば 尚も嬉しい

いまはもう ただそれだけ
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